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1. WO2005023877 - WATER-ABSORBING RESIN AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME

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[ JA ]
明 細書

吸水性樹脂及びその製造方法

技術分野

本発明は、機械強度に優れた吸水性樹脂及びその製造方法に関する。

背景技術

吸水性樹脂は、従来から、おむつ、生理用品、土壌保水剤、シール剤等の各種 吸水材料として利用されている。

ここで、従来の吸水性樹脂の第一の問題点として、機械強度の弱さを挙げるこ とができる。特に、ノエオン性親水性セグメントを有する吸水性樹脂 {例えば、 架橋ポリビュルアルコール変性物(特開昭 5 4— 2 0 0 9 3号公報)、ポリェチ レンォキサイド部分架橋物(特開昭 6 1 - 1 3 0 , 3 2 4号公報) } は、ゲル強 度が弱く、吸水速度もおそく、吸収倍率の絶対値も低いという性質を有する傾向 がある。

また、従来の吸水性樹脂の第二の問題点として、吸収させる液の種類により吸 収倍率が非常に異なる、という点を挙げることができる。特に、カルボキシ基等 の電解質構造を有する吸水性樹脂 {例えば、アクリル酸(塩)重合体の架橋体 (特開昭 5 5 - 8 4 , 3 0 4号公報等)、澱粉ーァクリロニトリルグラフト共重 合体の加水分解物(特公昭 4 9— 4 3 , 3 9 5号公報)、澱粉—ァクリル酸のグ ラフト共重合体の中和物(特公昭 5 3— 4 6 , 1 9 9号公報)、アクリル酸エス テル一酢酸ビュル共重合体のケン化物(特公昭 5 3 - 1 3 , 4 9 5号公報) } は、 純水 (脱イオン水)等では非常に高い吸収倍率を示すものの、食塩等の電解質を 有する溶液に対しては吸収倍率が著しく低下するという性質を示す傾向がある。 この性質は、いわゆる耐塩性が低いという問題につながる。このような性質を有 する吸収性樹脂をおむつに使用した場合には、尿中の塩濃度の変化により吸収倍 率が変化して品質のフレにつながる。また、塩濃度により膨潤体積が変化するた め、農園芸分野や止水剤の分野での用途が制限される場合がある。

そこで、本発明は、一義的には機械強度に優れた、そして好適には、更に耐塩 性にも優れた吸水性樹脂及びその製造方法を提供することを目的とする。

発明の開示

本発明(1 ) は、第一のモノマー成分(ここで、該成分の 1 0モル%以上が、 電荷を有する不飽和モノマーである)を溶媒存在下で重合し架橋することにより 第一の網目構造を形成させる第一工程;

第一の網目構造中に第二のモノマー成分(ここで、該成分の 6 0モル%以上が、 電気的に中性である不飽和モノマーである)を導入した後、第二のモノマー成分 を溶媒存在下で重合することにより、第一の網目構造中にポリマーを形成させる 工程か、場合により更に架橋することにより、第一の網目構造中に第二の網目構 造を形成させる第二工程(ここで、第二のモノマー成分を重合し架橋する場合に は、第一のモノマー成分を重合し架橋する場合よりも架橋度を小さく設定す る);及ぴ

第二工程で得られた、溶媒を含有する吸水性樹脂を乾燥させる工程

を含む、セミ相互侵入網目構造又は相互侵入網目構造の吸水性樹脂(ここで、該 吸水性樹脂中の第一のモノマー成分量:第二のモノマー成分量が、モル比で 1 : 2〜1 : 1 0 0である)の製造方法である。

本発明(2 ) は、電荷を有する不飽和モノマーが、酸性基及び/又は塩基性基 を有する不飽和モノマーである、前記発明(1 ) の製造方法である。

本発明(3 ) は、酸性基が、カルボキシル基、リン酸基及びスルホン酸基から なる群より選択される、前記発明(2 ) の製造方法である。

本発明(4 ) は、酸性基を有する不飽和モノマーが、 2—アクリルアミドー 2—メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの塩であ る、前記発明(3 ) の製造方法である。

本発明(5 ) は、電気的に中性である不飽和モノマーが、アクリルアミド、 N ーィソプロピルァクリルァミド、ビュルピリジン、スチレン、メチルメタクリ レート、フッ素含有不飽和モノマー(例えば、トリフルォロェチルアタリレー ト)、ヒドロキシェチルアタリレート又は酢酸ビエルである、前記発明(1 ) 〜 ( 4 ) のいずれか一つの製造方法である。

本発明(6) は、該樹脂が水と接触すると金属イオンを発生させる金属源を更 に含み、かつ、第一のモノマー成分及び第二のモノマー成分の少なくとも一部が、 該金属イオンと錯体を形成しうる基を有するモノマーである、前記発明(1) 〜 (5) のいずれか一つの製造方法である。

本発明(7) は、第一のモノマー成分に対して架橋剤を 0. l〜50mol%の 量で用い、第二のモノマー成分に対して架橋剤を 0. 00 1〜20mol%の量で 用いる、前記発明(1) 〜(6) のいずれか一つの製造方法である。

本発明(8) は、第一工程及び又は第二工程における重合及び/又は架橋が、 水溶液下で行われる、前記発明(1) 〜(7) のいずれか一つの製造方法である。 本発明(9) は、第三工程で得られた該吸水性樹脂を破碎し篩にかける第四ェ 程を更に含む、前記発明(1) 〜(8) のいずれか一つの製造方法である。

本発明(1 0) は、該吸収性樹脂が、耐塩性を有する、前記発明( 1) 〜 (9) のいずれか一つの製造方法である。

本発明(1 1) は、該吸水性樹脂の吸収倍率(水)、 2〜1000%である、 前記発明(1) 〜(1 0) のいずれか一つの製造方法である。

本発明(1 2) は、該吸収性樹脂が吸水した際に形成されるハイド口ゲルの剪断 弾性率が、 0. 01〜1 OMPa である、前記発明(1) 〜(1 1) のいずれか一 つの製造方法である。

本発明(13) は、該吸収性樹脂が吸水した際に形成されるハイド口ゲルの圧 縮破断応力が、 0. 1〜10 OMPa である、前記発明(1) 〜(1 2) のいずれ か一つの製造方法である。

本発明(14) は、該吸収性樹脂が吸水した際に形成されるハイド口ゲルの引 張破断応力が 0. 1〜: 10 OMPa である、前記発明(1) 〜(1 3) のいずれか 一つの製造方法である。

本発明(1 5) は、該吸収性樹脂が吸水した際に形成されるハイド口ゲルが、 応力分散性を示す、前記発明(1) 〜(14) のいずれか一つの製造方法である。 本発明(16) は、前記発明(1) 〜(1 5) のいずれか一つの製造方法によ り得られる吸水性樹脂である。

本発明 (1 7) は、前記発明(16) の吸水性樹脂を含む、生理用品、農園芸 用、シール剤、推進工法用滑剤、地盤掘削における逸泥防止、泥水の固定剤、 カーペット下敷及び農業用被覆剤から選択される物品である。

図面の簡単な説明

図 1は、第一のモノマー成分を重合し架橋することにより形成された網目構造

(第一の網目構造)と第二のモノマー成分を重合し架橋することにより形成され た網目構造(第二の網目構造)が互いに網目を介して物理的に絡み合った相互侵 入網目構造 (ダブルネットワーク型) の吸水性榭脂である。尚、図中、 Aは第一 の網目構造、 Bは第二の網目構造、 1及び 2は架橋点を示す。

図 2は、第一の網目構造と第二のモノマー成分を重合して形成される直鎖状ポ リマーが互いに網目を介して物理的に絡み合ったセミ相互侵入網目構造(ダブル ネットワーク型)の吸水性樹脂である。尚、図中、 Cは第一の網目構造、 Dは直 鎖状ポリマー、 3は架橋点を示す。

図 3は、 1PAMPS4—XPAAmO. 1 DN ゲルにおける圧縮破断応力及ぴ破断歪 に関する、第二の網目構造を構成するモノマーの濃度依存性を示したものである。 尚、横軸の第二のモノマー濃度は、重合時に使用する第二のモノマー濃度を意味 し、「1 PAMP S— XPAAmO. 1」の Xがこれに相当する。

図 4は、 1PAMPS4— lPAAmX DN ゲルにおける圧縮破断応力に関する、第二 の網目構造における架撟度依存性を示したものである。

図 5は、ゲルを応力変形させた際の光弾性イメージ写真を撮るための実験系を 示したものである。尚、図中、 4は光源、 5は偏光子、 6及び 8は 1/4プレー ト、 7は標本、 9はアナライザー、 10は CCDカメラ、 1 1はコンピュータを 示す。

図 6は、応力変形させた際の、各種ゲルの応力拡散状態を示す光弾性イメージ 図であり、( a ) 力 S 1 PAMPS 4— 1 PAAm 0. 1 DN ゲル、( b ) 力 S 1 PAMPS 4一 lPAAm2DNゲルである。

図 7は、 1 PAMPS 4-1 PAAm XDN ゲル(X= 0, 0. 1, 0. 5 , 1. 0, 2. Omol°/o) を応力変形させた際の、 Normalized Power (縦軸)と歪み(%) と の関係を示したものである。尚、図中、「口」は X= 0mol%、「X」は X =

0. lmol%、「▽」は X=0. 5mol°/。、「◊」は X= l . Omol°/。、「〇」は X = 2. 0mol%の場合を示したものである。

図 8は、 1 PAMPS 4 - 1 PAAm X DN ゲル( X = 0, 0. 1, 0. 5, 1, 2mol%) を応力変形させた際の、 Normalized Power (縦軸)と架橋度 (mol%) との関係を示したものである。尚、図中、「口」は歪みが 6. 670%、

「V」は歪みが 1 3. 33%、「◊」は歪みが 20. 00%、「〇」は歪みが 26. 67%の場合を示したものである。

図 9は、 AAm濃度の異なる各種 lPAMPS4-XPAAm0. 1 DNゲルを応力変形させ た際の、 Intensity (縦軸)と歪み(%) との関係を示したものである。尚、図' 中、「☆」は Χ=0· 5Μ、「X」は Χ= 1Μ、「▽」は Χ=2Μ、「◊」は Χ =

3Μ、 「口」は Χ= 5Μの場合を示したものである。

発明を実施するための最良の形態

まず、本明細書に記載された用語の定義につき説明する。

「相互侵入網目構造」とは、ベースとなる網目構造に、他の網目構造が、全体 において均一に絡みついており、結果として内部に複数の網目構造を形成してい る状態をいう。例えば、この種の樹脂は、図 1に示すように、複数の架橋点 1を 有する第一の網目構造 Αと、複数の架橋点 2を有する第二の網目構造 Bとから構 成され、これら第一の網目構造 Aと第二の網目構造 Bが、互いに網目を介して物 理的に絡まり合っている。尚、この図は、吸水性樹脂が水を吸収した結果得られ る、網目構造中に溶媒(水)を含有しているゲルの概念図である。

「セミ相互侵入網目構造」とは、ベースとなる網目構造に、直鎖状ポリマーが、 全体において均一に絡みついており、結果として内部に複数の網目構造を形成し ている状態をいう。例えば、この種の樹脂は、図 2に示すように、複数の架橋点 3を有する第一の網目構造 Cと、直鎖状ポリマー Dとから構成され、これら第一 の網目構造 Cと直鎖状ポリマー Dが、互いに網目を介して物理的に絡まり合って いる。

なお、図 1及び図 2において、第一の網目構造 A及び Cを、第二の網目構造 B 及び直鎖状ポリマー Dより太く描いたが、これは、便宜的に太さを変えて描いた

ものである。また、「相互侵入網目構造」及び「セミ相互侵入網目構造」は、ダ ブルネットワーク型のみでなく、三重や四重以上の網目構造を有する態様をも含 む概念である。

「耐塩性」とは、吸収させる水溶液中の塩濃度における、吸収倍率の変化の程 度が少ないことを意味し、耐塩性 =生理食塩水の吸収倍率/純水(脱イオン水) の吸収倍率を指す。

「架橋度」とは、モノマーの仕込みモル濃度に対する架橋剤のモル濃度の比を パーセントで表した値をいう。なお、実際には、重合に関与しなかったモノマー や架橋に関与しなかった架橋剤も僅かにある場合があるが、この際も、本明細書 におけるゲルの架橋度は、前記の通りとする。

「水不溶性モノマー」とは、常温常圧下で、水 1 0 0 ml に 1 g投入したとき の溶解量が 0 . 1 g以下であるようなモノマーを指す。また、「水溶性モノ マー」とは、常温常圧下で、前記値を超えるようなモノマーを指す。

次に、本発明に係る吸水性樹脂について説明する。本発明の第一の特徴は、第 一のモノマー成分の 1 0モル0 /0以上が、電荷を有する不飽和モノマーであり、第 二のモノマー成分の 6 0モル0 /0以上が、電気的に中性である不飽和モノマーであ る点にある。即ち、このような構成を採ることにより、第一の網目構造 {第一の モノマー成分を重合し架橋することにより形成された、電荷を有する基(例えば、 カルボキシル基)がー定量以上存在している網目構造 } 中に、電気的に中性であ る不飽和モノマーを多量に導入することが可能となる。即ち、使用するモノマー の種類及び量並びに使用順序が非常に重要なのである。

ここで、電荷を有する不飽和モノマーとしては、好適には、酸性基(例えば、 カルボキシル基、リン酸基及ぴスルホン酸基を)や塩基性基(例えば、ァミノ 基)有する不飽和モノマーを、例えば、 2—アクリルアミド一 2—メチルプロパ ンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの塩を挙げることができる。 また、電気的に中性である不飽和モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、 N—イソプロピルアクリルアミド、ビエルピリジン、スチレン、メチルメタタリ レート、フッ素含有不飽和モノマー(例えば、トリフルォロェチルァクリレー ト)、ヒドロキシェチルァクリレート又は酢酸ビュルを挙げることができる。

第一のモノマー成分中の電荷を有する不飽和モノマーの量は、第一のモノマー 成分に対し 1 0モル0 /0以上であり、好適には 1 0 0モル0 /0である。また、第二の モノマー成分中の電荷をしない不飽和モノマーの量は、第二のモノマー成分に対 し 1 0モル0 /0以上であり、好適には 1 0 0モル0 /0である。

更に、本発明の第二の特徴は、吸水性樹脂中の第一のモノマー成分量:第二の モノマー成分量が、モル比で 1 : 2〜1 : 1 0 0 (好適には 1 : 3〜1 : 5 0、 より好適には 1 : 3〜1 : 3 0 ) である。このような構成を採ることにより、樹 脂が吸水することにより得られるゲルに、これまでにない機械強度等の特性を付 与することができる。このような高い比での、電気的に中性である不飽和モノ マーの導入は、第一のモノマー成分を重合し架橋することにより、電荷を有する 基 (例えば、カルボキシル基)がー定量以上存在している網目構造(第一の網目 構造)を形成し、その後、電気的に中性である不飽和モノマーを導入することに よりはじめて可能となる。尚、樹脂中におけるモノマー量は、各々の網目構造が 1種類のモノマーより構成されている場合には、元素分析により決定する。また、 2種以上の場合は、元素分析では複雑になり決定できない場合がある。このよう な場合は、例えば、製造の際に使用したモノマー量から、重合しなかったモノ マー量を引くことにより求める。

また、本発明の第三の特徴は、第二のモノマー成分を重合し架橋する場合には、 第一のモノマー成分を重合し架橋する場合よりも架橋度を小さく設定することで ある。即ち、第二の網目構造(第二のモノマー成分を重合し架橋することにより 形成される網目構造)の架橋度を、第一の網目構造のそれよりも小さくするとい うものであり、その最も極端な例が、第二の網目構造の架橋度が 0 (即ち、第二 のモノマー成分を重合するが架橋しない場合)である、セミ相互侵入網目構造の 吸水性樹脂の形態である。このような構成を採ることにより、ゲルに、これまで にない機械強度等の特性を付与することができる。従来は、第一の網目構造の架 橋度が第二の網目構造の架橋度よりも小さいものは存在していたが、このような ゲル (樹脂が吸水することにより得られるゲル)には機械強度に問題があった。 本発明は、第一の網目構造の架橋度と第二の網目構造の架橋度の関係を逆にした だけで、機械強度を大幅に改善した点で画期的である。

具体的には、第一の網目構造を形成させるために使用する架橋剤の量と、第二 の網目構造を形成させるために使用する架橋剤の量を、各々の網目構造の原料モ ノマーと関連づけて適宜調整する。好適には、第一の網目構造の架橋度が 0 . :!〜 5 0 mol%であり、第二の網目構造の架橋度が 0 . 0 0 1〜2 0 mol%と なるように、より好適には、第一の網目構造の架橋度が 1〜2 0 mol%であり、 第二の網目構造の架橋度が 0 . 0 l〜5 mol%となるように、最も好適には、第 一の網目構造の架橋度が 2〜 1 0 mol %であり、第二の網目構造の架橋度が 0 . 0 5〜l mol%となるようにする。特に、ゲル(樹脂が給水することにより 得られるゲル) の含水量を小さくしたり(即ち、膨潤度を小さくする)、硬くす る (即ち、弾性率を大きくする)には、両方の架橋度を上げるようにすればよい。 以上、本発明の特徴点を三点述べたので、以下では、その他の任意的構成要件 について説明する。

まず、第一のモノマー成分に関しては、電荷を有する不飽和モノマーを 1 0モ ル%以上含む限り特に限定されず、例えば、第二のモノマー成分として必須的に 用いられる、電気的に中性である不飽和モノマーを用いてもよい。また、第二の モノマー成分に関しては、電気的に中性である不飽和モノマーを 6 0モル%以上 含む限り特に限定されず、例えば、第一のモノマー成分として必須的に用いられ る、電荷を有する不飽和モノマーを用いてもよい。例えば、 2—アクリルアミド 一 2—メチルプロパンスルホン酸(AMP S )、アクリルアミド(AAm)、ァク リル酸 (AA)、メタクリル酸、 N—イソプロピルアクリルアミド、ビュルピリ ジン、ヒドロキシェチルアタリレート、酢酸ビュル、ジメチノレシロキサン、スチ レン (S t )、メチルメタクリレート (MMA)、トリフルォロェチルァクリレー ト(T F E ) 等を挙げることができる。更には、ジエラン、ヒアルロン酸、カラ ギーナン、キチン、アルギン酸などの多糖類やゼラチン、コラーゲンなどのタン パク質でもよい。尚、使用する有機モノマーは、第一の網目構造、第二の網目構 造 (相互侵入網目構造の吸水性樹脂)及び直鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構 造の吸水性樹脂)間で、同一であっても異なっていてもよい。但し、互いに異な る原料を使用すれば、吸水後に得られるハイド口ゲルは、より高い力学特性を持 つようになる。

尚、原料である有機モノマーとして、水不溶性モノマーと水溶性モノマーの両 方を用いることが好適である。水不溶性モノマーを一部に使用した際に優れた機 械強度を奏する、という新規知見に基づくものである。この際、水不溶性モノ マーを、第一の網目構造のためにのみ用いても、第二の網目構造(相互侵入網目 構造の吸水性樹脂)又は直鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構造の吸水性樹脂) のためにのみ用いても、両方のために用いてもよい。また、水不溶性モノマーと 水溶性モノマーの比が、 9. 9 : 0. 1〜0. 1 : 9. 9とすることが好適であ る。特に、第一の網目構造において、水溶性モノマー:水不溶性モノマー =0 : 100〜1 : 99、また、第二の網目構造又は直鎖状ポリマーにおいて、水溶性 モノマー:水不溶性モノマー = 0 : 100〜 10 : 90と設定することがより好 適である。更に、第一の網目構造において、水溶性モノマー:水不溶性モノ マー = 0 : 1 00〜 1 : 99、また、第二の網目構造において、水溶性モノ マー:水不溶性モノマー =0 : 100〜5 : 95が更に好適である。尚、ゲル (吸水後に得られるハイド口ゲル)の含水量を減少させるためには、疎水性モノ マーの含有量を増加させればよい。水不溶性モノマーとしては、例えば、フッ素 含有モノマー、例えば、 2, 2, 2—トリフルォロェチルメチルァクリレート、 2, 2, 3, 3, 3一ペンタフルォロプロピルメタクリレート、 3 - (ペルフル ォロブチル)— 2—ヒドロキシプロピルメタクリレート、 1H, 1 H, 9H—へ キサデカフルォロノニメタクリレート、 2, 2, 2—トリフルォロェチルアタリ レート、 2, 3, 4, 5, 6—ペンタフルォロスチレン、フッ化ビニリデン等を 挙げることができる。

更に、原料である有機モノマーとして、金属イオンと錯体を形成しうる基を有 するモノマーを用い、かつ、その金属イオンをゲル(榭脂が吸水することにより 得られるハイド口ゲル)中に導入することにより、ゲル中に錯体を形成させるこ とも好適である。一般に、ゲル中の錯形成の割合、即ち金属導入率を高くすると、 樹脂が吸水することにより得られるハイド口ゲルは、含水量が小さくなり、かつ、 機械強度が大きくなる傾向にある。この際、金属イオンと錯体を形成しうる基を 有するモノマーを、第一の網目構造のためにのみ用いても、第二の網目構造(相 互侵入網目構造の吸水性樹脂)又は直鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構造の吸 水性樹脂)のためにのみ用いても、両方のために用いてもよい。好適な態様は、 第一の網目構造において、金属イオンと錯体を形成させたものである。また、金 属含有量は、 0 . 0 3 mol/1〜: 1 mol/1 が好適であり、 0 . 0 1 mol/!!〜 0. 3 mol/1 がより好適である。また、好適には、錯体を形成しうる基を有する モノマーの含有量は、第一の網目構造を構成する全モノマー量に対して、 1 0〜

1 0 0mol%、更に好適には 3 0〜1 0 0mol%である。更に、金属イオンと錯体 を形成しうる基を有するモノマーの比は、好適には 1 : 1〜: 1 : 1 0 0 0であり、 更に好適には 1 : 1 0〜1 : 1 0 0である。金属イオンとしては、錯体を形成し うる金属イオンであれば特に限定されず、例えば、亜鉛イオン、鉄イオン、ニッ ケルイオン、コバルトイオン、クロムイオン等を挙げることができる。金属源と しては、水に溶解すると金属イオンを生じる、例えば水溶性の金属塩を挙げるこ とができる。また、金属イオンと錯体を形成しうる基とは、選択した金属イオン と錯体を形成しうる基を指し、例えば、金属イオンとして、亜鉛、鉄、ニッケル、 コバルト、クロム等の多価金属を選択した場合、カルボキシル基、スルホン酸基、 リン酸基を挙げることができる。また、金属イオンと錯体を形成しうる基を含有 するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ィタコン酸、スチ レンスルホン酸、ビュルリン酸を挙げることができる。

次に、本発明に係る吸水性樹脂の物性につき説明する。この吸水性樹脂の吸水 倍率 (水、生理食塩水、尿)は、好適には 2〜 2 0、より好適には 4〜 1 5であ る。また、粒径は、特に限定されないが、例えば、ォムッ用材料として使用する 場合に、その 9 0〜: L 0 0重量%が:!〜 1 4 9 μπι、特に:!〜 7 4 μη\ の粒子径 を有するが好ましい。更に、含水率も、特に限定されないが、 0〜1 0 %である ことが好適である。

次に、樹脂が吸水した後に形成されるハイドロゲルの物性につき説明する。 まず、このゲルの剪断弾性率は、好適には 0. 0 1〜1 0MPa であり、より好 適には 0. 0 3〜3MPa であり、最も好適には 0. 1〜1. OMPa である。また、 このゲルの圧縮破断応力は、好適には 0. 1〜1 0 OMPa であり、より好適には :!〜 5 OMPa であり、最も好適には 3〜4 OMPa である。更に、このゲルの引張 破断応力は、好適には 0. 1〜 1 0 OMPa であり、更に好適には 0. 1〜

5 0 MPaであり、最も好適には 0 . 5〜5 MPaである。

更に、このゲルは、好適には、含水量が 1 0 %以上(より好適には 5 0 %以上、 更に好適には 8 5 %以上)である。これは即ち、本発明に係る吸水性樹脂の吸収 能が高く、吸水性材料として適していることを意味する。なお、含水量の上限値 は特に限定されないが、ゲルの機械強度維持等の理由から、通常は 9 9 . 9 %以 下、好適には 9 9 %以下、より好適には 9 5 %以下である。

次に、本発明に係る吸水性樹脂の製造方法の一例を説明する。まず、第二のモ ノマー成分(電気的に中性である不飽和モノマーを 6 0モル%以上含む)及び重 合開始剤(相互侵入網目構造ハイド口ゲルの場合には架橋剤も)を含有する溶液 を調製する。続いて、第一の網目構造を有するゲル {第一のモノマー成分(電荷 を有する不飽和モノマーを 1 0モル%以上含む)を重合 '架橋することにより形 成されたシングルネットワークゲル } をこの溶液に浸漬し、充分な時間をおいて、 第二のモノマー成分及び重合開始剤(相互侵入網目構造ハイドロゲルの場合には 架橋剤も)を前記ゲル内に拡散させる。次いで、前記溶液から前記ゲルを取り出 し、このゲル中の第二のモノマー成分を重合(相互侵入網目構造ハイドロゲルの 場合には架橋も)することにより、第一の網目構造の網目に絡まる第二の網目構 造 (相互侵入網目構造ハイド口ゲルの場合)又は直鎖状ポリマー(セミ相互侵入 網目構造ハイド口ゲルの場合)が形成される結果、二重網目構造を有するゲルを 製造することができる。更に、上記手順と同様の手法で、上記のシングルネット ワーク型ゲルではなく、多重網目構造を有するゲルを用いることにより、三重以 上の相互侵入網目構造ゲルも製造可能である。

尚、重合方法としては水溶性重合を用いることが好適である。また、水溶液重 合は、第一の網目構造中に第二のモノマー成分を均一に分散し、第二も網目構造 やポリマーを形成するための反応を効率よく行わせるために、撹拌混合下に行う ことが好ましい。そのためには回転撹拌軸を有する反応容器内で該回転撹拌軸の 剪断力により、重合に伴い生成するゲル状物を、細分化しながら重合を行うこと が更に好ましく、例えば特開昭 5 7— 3 4, 1 0 1号公報、 U S— A— 4 , 6 2 5, 0 0 1および E P 0 3 4 3, 9 1 9に開示されているように複数の 回転撹拌軸を有する反応容器としてニーダーを用いるのが最も好ましい。

このようにして得られたハイド口ゲルを乾燥し、必要に応じて、破碎し篩にか けて所望の粒径(範囲)に調整してもよい。

尚、第一の網目構造、第二の網目構造(相互侵入網目構造ゲルの場合)及び直 鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構造ゲルの場合)を形成させる際に使用する重 合開始剤は特に限定されず、重合すべき有機モノマーに対応して種々のものが選 択される。例えば、有機モノマーとして AM P S、 A Am、 AAを熱重合する場 合には、過硫酸力リゥムなどの水溶性熱触媒、過硫酸力リゥム—チォ硫酸ナトリ ゥムなどのレドックス開始剤を用いることができ、光重合する場合には、光増感 剤として 2—ォキソダルタル酸を用いることができる。また、有機モノマーとし て S tを熱重合する場合には、ァゾビスイソプチロニトリル(A I B N:)、過酸 化ベンゾィル(B P O ) などの有機溶媒に溶解性の熱触媒を用いることができ、 光重合する場合には、光増感剤としてベンゾフヱノンを使用することができる。 同じく、第一の網目構造や第二の網目構造(相互侵入網目構造ゲルの場合)を 形成させる際に使用する架橋剤も特に限定されず、架橋重合すベき有機モノマー に対応して種々のものが選択される。例えば、有機モノマーとして AM P S、 A

Am, AAを用いた場合には、 N, Ν' —メチレンビスアクリルアミドを、有機 モノマーとして S tを用いた場合には、エチレンダリコールジメタクリレートを 夫々使用することができる。

また、第一の網目構造を有するゲルを浸漬する溶液の溶媒に関しては、前記溶 液に浸漬されるゲルへの悪影響を防止し、かつ、二重網目構造(相互侵入網目構 造ハイド口ゲル)や直鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構造ハイド口ゲル)を、 第一の網目構造の網目に良好に絡みつける観点から、この溶液の溶媒が、第一の 網目構造を有するゲル中の溶媒と同じであることが好適である。

尚、ゲル中に金属イオンを導入した態様に関しては、得られた(セミ)相互侵 入網目構造ハイドロゲルを真空乾燥させた後にこの金属塩溶液に浸漬することに より行う。この操作によれば、ネットワーク間の距離を極力近づけることにより、 効率よく金属イオンと錯体を形成することができる。

次に、重合 ·架橋条件等につき説明すると、まず、第一の網目構造を有するゲ ルに拡散した第一のモノマー成分の重合反応は、加熱するか、または紫外線のよ うな光を照射するカいずれかにより行うことができる。この重合反応は、前記 ゲルの第一の網目構造を壊さない条件下でなされる。また、架橋反応は、所定濃 度の架橋剤、反応開始剤を第二のモノマー成分と一緒に溶媒中に混合し、第一の 網目構造を有するゲルに拡散させる。具体的には、第一の網目構造を有するゲル を、架橋剤を含有する第二のモノマー溶液に浸漬し、 2 4時間低温下で拡散させ る。なお、拡散途中で架橋してしまうことを避けるために、室温以下、 4 °C付近 が好ましい。

最後に、本発明に係る吸水性樹脂の用途につき説明する。本発明に係る吸水性 樹脂は、吸水した後に形成されるハイドロゲルが、強いゲル強度、耐薬品性、柔 軟性、物質透過性、耐衝撃性を備える、という性質を有する。具体的には、吸水 した後に形成されるハイドロゲルは、 1 0 %以上の溶媒含有量にもかかわらず、 吸収材料(例えば、おむつや土木材料)には理想的な I MPa 以上の強度を有し得 るという点で、本発明に係る吸水性樹脂の有用性は大きい。加えて、本発明に係 る吸水性樹脂は、優れた耐塩性を有し得る。したがって、各種吸収材料、例えば、 おむつ、生理用品、農園芸用、シール剤、推進工法用滑剤、 ±也盤掘削における逸 泥防止、泥水の固定剤、. カーペット下敷及び農業用被覆に使用し得る。特に、紙 おむつや生理用品中の吸収剤に用いた場合には、尿中の塩濃度の影響をうけにく く、安定した吸収倍率を有し液体の吸収性に優れたものとなり、また、海水等の シール剤に用い場合には、シール効果が塩濃度によって影響され難くなる利点が ある。

実施例

以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。尚、吸水性樹脂の吸収倍率、 ゲル強度は、次に示す方法により測定した。

( 1 ) 純水(脱イオン水)の吸収倍率:吸水性樹脂約 0 . 0 5 gを不織布製の ティーバッグ式袋(4 0腿 X I 5 O ram) に均一に入れ、大過剰の純水(脱イオン 水)に 3 0分間浸漬し、引き上げてペーパー上で水切りを行い、吸液後の重量を 測定した。空のティーバッグ式袋自体を同様の手順で吸液した時の重量をプラン クとして、次式にしたがって純水(脱イオン水)の吸収倍率を算出した。純水 (脱イオン水)の吸収倍率 (g/g) = ( 吸液後の重量 g-プランク gV (吸水性樹脂の

( 2 ) 生理食塩水の吸収倍率:吸水性樹脂約 0. 2 gを不織布製のティ 式袋 (4 Ommxl 5 Oram) に均一に入れ、大過剰の生理食塩水(0. 9重量%N a C 1) に 30分間浸漬し膨潤させ、引き上げてペーパー上で水切りをし、吸液 後の重量を測定した。空のティーパッグ式袋自体を同様の手順で吸液した時の重 量をブランクとして、次式にしたがって純水の吸収倍率を算出した。

生理食塩水の吸収倍率 (g/g)= (吸液後の重量 g -ブランク g)/ (吸水性樹脂の重量 g) なお、耐塩性は、耐塩性 =生理食塩水の吸収倍率/純水(脱イオン水)の吸 収倍率で表す。

(3) ゲル強度①(せん断弾性率):膨潤ヒドロゲルを、半径 2. 5 cm の円盤を 具備する応力レオメーターにより、試料の厚み 0. 1cm、振動周波数 1. 0Hz の条件下に測定した。膨潤ヒドロゲルの剪断弾性率をもってゲル強度とした。な お、膨潤ヒドロゲルは、吸水性樹脂を人工尿(尿素 1. 9重量%、 N a C 1 0. 8重量0 /0、 C a C 12 0. 1重量0 /0、 M g S O 4 0. 1重量0 /0) に 1時間 浸漬し膨潤させた後、過剰の人工尿を濾紙で除去することによって得た。

ゲル強度②(圧縮破断応力 ·圧縮破断歪):膨潤ゲルを直径 9mm、厚さ 5mm の円 盤状に切り出し、前記ゲルを 2枚の平板プレート間に挟み、 TENSILON (商標)引 張試験機(0RIENTEC 社製型式: RTC- 1310A) を用いて圧縮させる(圧縮速度は 10%/分)。 尚、「圧縮破断応力」は、(圧縮破断時の力/元の断面積)の式で 算出され、また、「圧縮破断歪」とは、(元の長さ一圧縮破断時の長さ) /元の長 さ X 100%の式で算出された値をいう。

ゲル強度③(引張破断応力 ·引張破断歪):膨潤ゲルを長さ 5cm、幅 5ram、厚さ 3讓 の短冊状に切り出し、専用冶具(チャック)を使用し、ゲルの両末端を挟 み、 TENSILON (商標)引張試験機(0RIENTEC社製型式: 1 3 1 0 A) で試験を 行い、破断した時点での応力を引張破断応力 σとする。引張速度は 1 0%Ζ分と する。尚、「引張破断応力」とは、(引張破断時の力 Ζ元の断面積)の式で算出さ れ、また、「引張破断歪」とは、(引張破断時の長さ一元の長さ) Ζ元の長さ X 100%の式で算出された値をいう。

実施例 1

<シングルネットワーク型ゲルの作製 >

面積 1 O OmmX l 00mm, 厚さ 2 のシリコン板から力ッターで外辺長 80mmX 80腿、 幅 5 mmの枠を切りだし、枠の 1箇所 3 mm の溝を空けた。この シリコン枠を 2枚の 100腿 X 1 0 Omm、厚さ 3墮のガラス板に挟み、重合容 器を組み立てた。

モノマーである 2mol/L の 2—ァクリルアミド一 2—メチルプロパンスルホン 酸 (AMP S) 水溶液 25mlと、架橋剤である 2 mol/Lの N, N' —メチレンビ スアクリルアミド(MBAA) 水溶液 lmlと、開始剤である 0. 1 mol/Lの 2— ォキソグルタル酸水溶液 1 ml とを合わせ、水で調整して水溶液 50 ml を得た。 この水溶液を窒素ガスを用いて脱酸素した。つづいて、この脱酸素水溶液を前記 重合容器の一方のガラス板に置かれたシリコン板の開口部に流し込み、シリコン 板上に他方のガラス板を重ねて前記開口部周辺をシールした後、波長 365nm の UVランプ(22W, 0. 34 A) を用いて紫外線を常温で 6時間照射して重 合させることにより、架橋度が 4mol%の AMP Sゲル(第一の網目構造)を作 製した。尚、架橋度の計算は以下の通りである:

{(MB A A水溶液濃度 X量) / (モノマー濃度 X量) } X I 00 =

{(2mol/LX lml) / (2 mol/L X 25ml)} X 100 = 4mol%

<ダブルネットワーク型ゲルの製造 >

モノマーである 5 mol/Lのアクリルアミド(AAm) 水溶液 40mlと、架橋剤 である 0. 2 mol/L の N, N; —メチレンビスアクリルアミド(MBAA) 水溶 液 lml と、開始剤である 0. 1 mol/L の 2—ォキソダルタル酸水溶液 lml とを 合わせ、水で調整して水溶液(浸漬溶液) 200ml を得た。この浸漬溶液を窒 素ガスを用いて脱酸素した。

次いで、前記浸漬溶液と前記シングルネットワーク型ゲル 4 gをそのゲルより 十分に大きな容量のシール容器に入れた。この容器を 4 °Cの冷蔵庫に 24時間設 置し、前記浸漬溶液中のモノマー、架橋剤および開始剤を前記ゲルに拡散 ·浸透 させた。この工程において、浸漬液の濃度を一様にする目的で時々容器を静かに 振盪した。

- 次いで、前記浸漬液からゲルを取り出し、適当な大きさに裁断した後、このゲ ルを幅 1 0 OmmX長さ 10 OmmX厚さ 3mm の 2枚のガラス板の間に気泡が混入 しないように挟持した。この 2枚のガラス板の周囲 4辺をシールした後、波長 365nm の UVランプ(22W, 0. 34 A) を用いて紫外線を常温で 6時間 照射した。このとき、前記ゲル中に拡散した AAmモノマーが重合してダブル ネットヮーク型ゲルを得た。このダブルネットワーク型ゲルの第二の網目構造の 架橋度は、 0. lmol%であった。尚、架橋度の計算は以下の通りである: {(◦. 2mol/LX lml) / ( 5 mol/LX 40 ml) } X 100 = 0. lmol% 得られた実施例 1の AMP S _ A Amのダブルネットワーク型ゲルを純水中で 平衡膨潤させた。このゲルについて元素分析を行った。その結果を下記表 1に示 す。


前記表 1から明らかなように、 AMP Sおよび AAmの両モノマーの総量に対 して窒素が 9. 49%の値を示すことから、 2回目の重合に用いた AAmモノ マーは、平衡膨潤によってゲルの外部に出ることなくダブルネットワーク型ゲル 中で架橋されていることが確認された。

<乾燥及び粉砕〉

得られたダブルネットワーク型ゲルを金網上で 1 50°Cの温度条件下で 2時間 熱風乾燥した。この乾燥物をハンマーミルを用いて粉砕し、吸水性樹脂を得た。

実施例 2

くシングルネットワーク型ゲルの作製 >

モノマーである 2mol/Lのアクリル酸(AA) 水溶液 4 Omlと、架橋剤である 0. 2mol/L の N, N' —メチレンビスアクリルアミド(MBAA) 水溶液 4ml と、開始剤である 0. 1 mol/Lの 2—ォキソダルタル酸水溶液 1 mlとを合わせ、 水で調整して 80ml の水溶液を得た。この水溶液を窒素ガスを用いて脱酸素し た。つづいて、この脱酸素水溶液を、実施例 1と同様な重合容器の一方のガラス 板に置かれたシリコン板の開口部に流し込み、シリコン板上に他方のガラス板を 重ねて前記開口部周辺をシールした後、 波長 3 6 5 nm の UVランプ (22W, 0. 34 A) を用いて紫外線を常温で 6時間照射して重合させること により、架橋度が111101%のゲルを作製した。

くダブルネットワーク型ゲルの製造 >

モノマーである 5 mol/Lのアクリルアミド(AAm) 水溶液 20 mlと、架橋剤 である 0. 1 mol/L の N, N; ーメチレンビスアクリルアミド(MBAA) 水溶 液 lml と、開始剤である 0. 1 mol/L の 2—ォキソダルタル酸水溶液 lml とを 合わせ、水で調整して 200ml の水溶液(浸漬溶液)を得た。この浸漬溶液を 窒素ガスを用いて脱酸素した。

次いで、前記浸漬溶液と前記シングルネットワーク型ゲル 4 gを、そのゲルよ り十分に大きな容量のシール容器に入れた。この容器を 4 °Cの冷蔵庫に 24時間 設置し、前記浸漬溶液中のモノマー、架橋剤および開始剤を前記ゲルに拡散 .浸 透させた。この工程において、浸漬液の濃度を一様にする目的で時々容器を静か に振盪した。

次いで、前記浸漬液からゲルを取り出し、適当の大きさに裁断した後、このゲ ノレを幅 1 0 OmmX長さ 10 OmmX厚さ 3mm の 2枚のガラス板の間に気泡が混入 しないように挟持した。この 2枚のガラス板の周囲 4辺をシールした後、波長 365nm の UVランプ(22W, 0. 34 A) を用いて紫外線を常温で 6時間 照射した。このとき、前記ゲル中に拡散した AAmモノマーが重合してダブル ネットワーク型ゲルが得られた。このダプルネットヮ一ク型ゲルの第二の網目構 造の架橋度は、 0. 1モル。/。であった。

<乾燥及び粉砕 >

得られたダブルネットワーク型ゲルを金網上で 1 50°Cの温度条件下で 2時間 熱風乾燥した。この乾燥物をハンマーミルを用いて粉砕し、吸水性榭脂を得た。 実施例 3

実施例 1と同様の方法により、伹し、第一の網目構造を構成するモノマー及 び第二の網目構造を構成するモノマーの比を変え、また、第一の網目構造と第二 の網目構造の架橋度を変えた吸水性樹脂を製造した。なお、以下では、各ダブル ネットワーク型ゲルの名称につき、 1st Monomer Cone. (M) · Monomer Name · Degree of Crosslinking (mol%)~ 2nd Monomer Cone. (M) · Monomer Name · Degree of Crosslinking (mol%)の順で簡略化して表記する。例えば、第一の網 目構造が、モノマー濃度 1M、架橋度 4mol%の PAMPSであり、第二の網目構造が、 モノマー濃度 1 M、架橋度 0. 1 mol%の PAAmであるダブルネットワーク型ゲル は、 1 P AMP S 4_ 1 PAAmO. 1と表現する。尚、ここでのモノマー濃度 は、製造時の濃度であり、最終的なゲル中でのモノマー量とは異なることに留意 すべきである。即ち、例えば、第一のモノマー濃度及び第二のモノマー濃度が両 方とも 1M である場合に、最終的に得られるハイドロゲル中でのこれらのモル比 は 1 : 1ではない。それは、第一の網目構造は電荷を持っているために、中性の 第二のモノマー水溶液中で大きく膨潤するためと理解される(本実施例において は、最終的な樹脂中でのモノマー量は AMP S : AAm= 1 : 10である)。

表 2


実施例 4

くシングルネットヮ一ク型ゲルの作製 >

AMP Sと TFEAを 1 : 5の割合で DMSO中 3. Oml/1 の濃度となるよ うに混合し、架橋剤 MB AAを lmol°/0、重合開始剤 α—ケトグルタル酸を 0. 2mol%を加えて、 UV重合にて合成した。

<ダブルネットワーク型ゲルの作製 >

上記ゲル 1 0ml を、 DMSO中の TFEA溶液(濃度 3. 0ml/l、 MB AA 0. lmol%、ひ一ケトグルタル酸 0. 2mol%) 200 ml に浸漬して、約 2日 間静置し、 UV重合にて合成した。

<乾燥及び粉碎>

得られたダブルネットワーク型ゲルを金網上で 150°Cの温度条件下で 2時間 熱風乾燥した。この乾燥物をハンマーミルを用いて粉碎し、吸水性樹脂を得た。

実施例 5

実施例 3で得られた 1 P AMP S 4 _ 1 P AAmO . 1のダブルネットワーク 型ゲル中に各種金属イオンを導入したハイド口ゲルを調製した。なお、金属ィォ ンの導入に際しては、まず、純粋で平衡膨潤させたダブルネットワーク型ゲルを 適当な大きさに切り出し、それを一度真空乾燥させた。そして、平衡膨潤時のゲ ル体積に対して 20倍量の各種金属塩水溶液を調整し、ゲルを約 1週間浸漬した。 なお、水溶液の濃度は、 Z n S04に関しては、 0. 0 1M (実施例 5— 1)、

0. 1M (実施例 5— 2)、 1M (実施例 5— 3) の三種、 F e C l 3に関しては、 0. 0 1M (実施例 5— 4 )、 0. 1 M (実施例 5— 5 )、 0. 3 M (実施例 5― 6) の三種を準備した。このようにしてハイド口ゲル中に金属イオンを導入した 後、実施例 1に記載した手順で乾燥 ·粉碎して吸水性樹脂を得た。

試験例 1 (吸水性樹脂の物性)

まず、実施例 1〜5で得られた吸水性樹脂における、第一及び第二の網目構造 の架橋度、含水量及ぴモノマー比を表 3に示す。また、これらの吸水性樹脂の重 要な物性である、吸収倍率、耐塩性及びゲル強度に関し、上記の測定方法に従い 測定し、その結果を表 4に示す。

試験例 2 (応力分散性試験)

上記と同様の手法に従い、各種の P AMP S— P A Amのダブルネットワーク 型ハイドロゲルを調製した。これらハイドロゲルを 60 X 30 X 10mm に裁断 した。

今回使用した試験系を図 5に示す。光源 4として H e— N eレーザー(model 127, Spectra-Physics Laser, Inc. ) を用いた。偏光子 5の軸を垂直に配し、ァ ナライザ 9の軸を平行に配した。二枚の 1/4プレート 6 8の速い軸を、偏 光子 5及びアナライザー 9の軸に対し、夫々、 π/4及び一 π/4ラジアンに設 定した。パーソナルコンピュータ 1 1 と接続している cooledC CDカメラ (C4742-95, Hamamatsu Co. , Japan) で、光弾性イメージを記録した(全ィメー ジエリァは、 1 280 X 1024ピクセル含む)。

この CCDカメラにより撮影された応力分散の程度を示すィメージ図を図 6に 示す。変色域(図面中白く見える部分)は、応力が集中していることを意味する。 これから分かるように、 P AMP S— P AAmハイド口ゲル(PAAmの架橋度 が 0. 1モル0 /0) のイメージ(a) は、 P AMP S— PAAmハイド口ゲル(P

A Amの架橋度が 2モル0 /0) のイメージ(b) と比較してその変色域が少ないこ とが見て取れる。このように、本発明に係る力学強度を最適化されているハイド 口ゲルは、応力分散性に優れていることが分かる。

また、 P A Amの架橋度を変えて(0. 0モル%, 0. 1モル0 /。, 0. 5モ ル%, 1. 0モル0 /0, 2. 0モル0 /0)、 Normalized Power と歪みについて試験し た。その結果を図 7に示す。図 7より、傾向として、第二の網目構造の架橋度が 小さい程、同一歪みで応力がうまく分散し、 Normalized Power が少ないことが 分かる。また、 Normalized Power と架橋度との関係を示したのが図 8であるが、 この図より、どの歪みについても、架橋度が 0. 1モル%付近で Normalized Powerが最小になることが分かる。

最後に、架橋度を固定しつつ(0. 1モル%;)、 AAmの濃度を変えて (0. 5M, 1M, 2M, 3M, 5M)、 Intensity と歪みについて試験を行った。そ の結果を図 9に示す。この図より、 AAmの濃度が高い程、同一歪みにおける Intensity が高い傾向を示すこと、並びに、 A Amの濃度が 1 M のとき Intensity が最も低いことが分かる。即ち、力学強度が最適化された DN ゲルは、 最も応力を分散する能力を持つ。