Processing

Please wait...

Settings

Settings

Goto Application

1. WO2021029370 - THREADED COUPLING FOR STEEL PIPE

Document

明 細 書

発明の名称 鋼管用ねじ継手

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

先行技術文献

特許文献

0013  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022  

課題を解決するための手段

0023   0024  

発明の効果

0025  

図面の簡単な説明

0026  

発明を実施するための形態

0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075  

実施例

0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092  

符号の説明

0093  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 鋼管用ねじ継手

技術分野

[0001]
 本開示は、鋼管の連結に用いられるねじ継手に関する。

背景技術

[0002]
 油井、天然ガス井等(以下、総称して「油井」ともいう。)においては、地下資源を採掘するため、複数段の井戸壁を構築するケーシングや、該ケーシング内に配置されてオイルやガスを生産するチュービングが用いられる。これらケーシングやチュービングは、多数の鋼管が順次連結されて成り、その連結にねじ継手が用いられる。油井に用いられる鋼管は油井管とも称される。
[0003]
 ねじ継手の形式は、インテグラル型とカップリング型とに大別される。
[0004]
 インテグラル型では、油井管同士が直接連結される。具体的には、油井管の一端には雌ねじ部が、他端には雄ねじ部が設けられ、一の油井管の雌ねじ部に他の油井管の雄ねじ部がねじ込まれることにより、油井管同士が連結される。
[0005]
 カップリング型では、管状のカップリングを介して油井管同士が連結される。具体的には、カップリングの両端に雌ねじ部が設けられ、油井管の両端には雄ねじ部が設けられる。そして、カップリングの一方の雌ねじ部に一の油井管の一方の雄ねじ部がねじ込まれるとともに、カップリングの他方の雌ねじ部に他の油井管の一方の雄ねじ部がねじ込まれることにより、油井管同士が連結される。すなわち、カップリング型では、連結対象の一対の管材のうち、一方の管材が油井管であり、他方の管材がカップリングである。
[0006]
 一般に、雄ねじ部が形成された油井管の端部は、油井管又はカップリングに形成された雌ねじ部に挿入される要素を含むことから、ピンと称される。雌ねじ部が形成された油井管又はカップリングの端部は、油井管に形成された雄ねじ部を受け入れる要素を含むことから、ボックスと称される。
[0007]
 近年、さらなる高温高圧深井戸の開発が進んでいる。深井戸では、通常、高い耐圧性を有する厚肉の油井管が使用される。また、地層圧の深さ分布の複雑さによりケーシングの段数も増やす必要があることなどから、継手の最大外径が油井管の管本体の外径とほぼ同程度のスリム型のねじ継手が用いられることがある。これら厚肉継手やスリム継手には、高い強度及びシール性能が要求されるだけでなく、油井管を多重に配置するために厳しい外径寸法の制約が課されている。
[0008]
 寸法制約が大きい厚肉継手やスリム継手においては、特許第5908905号公報(特許文献1)、国際公開第2017/104282号公報(特許文献2)並びに国際公開第2015/194160号公報(特許文献3)に開示しているように、継手部の軸方向中間に中間ショルダ面及び中間シール部を設け、その前後にそれぞれねじ部を配置した二段ねじにより雄ねじ部及び雌ねじ部を構成したデザインが多い。ピン先端に内シール部も有する構造のねじ継手では、中間シール部は、主として外圧に対するシール性能を確保するために設けられる。
[0009]
 このようなデザインのねじ継手では、上記特許文献1にも開示したように、継手部の中間に危険断面(PICCS及びBICCS)が存在する。
[0010]
 危険断面(CCS)とは、締結状態において引張荷重に耐える面積が最も小さくなる継手部分の横断面である。過大な引張荷重が負荷された場合、危険断面の位置で破断が生じる可能性が高くなる。
[0011]
 一般的な一段ねじから雄ねじ部及び雌ねじ部が構成されている場合、締結状態における雄ねじ部と雌ねじ部との噛み合い端のうち、雄ねじ部の先端側の噛み合い端における雌ねじ部のねじ谷底位置のボックスの横断面が危険断面となる。油井管の管本体の横断面積Aに対する危険断面積CCSAの割合(CCSA/A)を継手効率と呼び、油井管本体の引張強度に対する継手部分の引張強度の指標として広く用いられている。カップリング型のねじ継手では、カップリングの危険断面積CCSAが、油井管の管本体の横断面積Aよりも大きく、管本体の横断面積Aの110%よりも小さくなるように設計されることが多い。
[0012]
 一方、二段ねじ構造のねじ継手においては、上述したように、継手部の軸方向中央部にも引張荷重に耐える面積が小さくなる横断面が存在し、この横断面は中間危険断面(ICCS)と言われている。

先行技術文献

特許文献

[0013]
特許文献1 : 特許第5908905号公報
特許文献2 : 国際公開第2017/104282号
特許文献3 : 国際公開第2015/194160号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0014]
 中間ショルダ面及び中間シール部を有する二段ねじ構造のねじ継手では、ピンの中間危険断面(PICCS)の面積(PICCSA:Pin Intermediate Critical Cross Section Area)及びボックスの中間危険断面(BICCS)の面積(BICCSA:Box Intermediate Critical Cross Section Area)が変わると、各種複合荷重が作用した場合の各危険断面に配分される荷重の割合が変わり、危険断面近傍の延び変形や曲げ変形の挙動が変わってくる。その結果、ピン及びボックスの中間危険断面の間に位置する中間シール部のシール性能に影響を及ぼす。
[0015]
 PICCSA+BICCSAが一定の場合、PICCSAが大きすぎるとBICCSAが小さくなりすぎ、例えば引張荷重が負荷された場合にBICCS近傍のボックスの延び変形量が大きくなる。その結果、ピンの中間シール部のシール面とボックスの中間シール部のシール面とが軸方向にずれるため、実質的なシール干渉量が小さくなってシール面間の接触力が低下するため、シール性能が低下する。さらに、BICCSAが小さいということは、カップリングの中間ショルダよりもカップリング端部に近い部分が薄いこと、すなわち中間シール部近傍の剛性が低いことを意味しており、複合荷重下でカップリングの曲げ変形などが生じ易くなる。
[0016]
 一方、PICCSAが小さすぎると、PICCS近傍のピンの延び変形量が大きくなる。その結果、ピンの中間シール部のシール面とボックスの中間シール部のシール面とが軸方向にずれるため、実質的なシール干渉量が小さくなってシール面間の接触力が低下するため、シール性能が低下する。
[0017]
 このように、PICCSとBICCSとの面積和のみならず、面積をPICCSとBICCSとにどのように配分するかによって、シール性能が変化する。
[0018]
 上記特許文献1では、より多くのトルク抵抗を得るために肩部面積を最大化しながらも、CCSの面積をPICCSとBICCSとの面積の和の±5%以内とすることで、4つの危険断面同士の効率の均衡を保ち、これにより接続の効率の最大化、並びに、接続の軸方向の性能を確保し得るねじ継手が開示されている。
[0019]
 上記特許文献2には、ピン及びボックスの中間ショルダ面同士の干渉量を適切に設定することにより、シール性能の確保とすき間腐食の発生抑制とを図ることが開示されている。
[0020]
 上記特許文献3は、ピン先端の内ショルダ面と内シール面との間に内シール面に連なるノーズ部を設けることで、ノーズ部の弾性回復により内シール面同士の接触面圧の増幅効果が得られるようにし、これにより主として内圧に対する高いシール性能を得ることが開示されている。
[0021]
 しかし、上記特許文献1~3のいずれにも、PICCSとBICCSの面積比率がねじ継手のシール性能に及ぼす影響については開示されていない。
[0022]
 本開示は、中間シール及び中間ショルダを含む二段ねじ構造の鋼管用ねじ継手において、優れたシール性能を確保することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0023]
 本開示に係る鋼管用ねじ継手は、管状のピンと、管状のボックスとから構成され、前記ピンが前記ボックスにねじ込まれて前記ピンと前記ボックスとが締結される鋼管用ねじ継手である。前記ピンは、前記ピンの先端側から順に、第1雄ねじ部、中間シール部、及び、第2雄ねじ部を備え、前記第1雄ねじ部と前記ピンの中間シール部との間には先端側に向く中間ショルダ面を設けることができる。前記ボックスは、前記ボックスの奥側から順に、締結状態で前記ピンの第1雄ねじ部が嵌合する第1雌ねじ部、締結状態で前記ピンの中間シール部が嵌合する中間シール部、及び、締結状態で前記ピンの第2雄ねじ部が嵌合する第2雌ねじ部を備え、前記第1雄ねじ部と前記ボックスの中間シール部との間には中間ショルダ面を設けることができる。前記ボックスの中間ショルダ面は前記ピンの中間ショルダ面に対して軸方向に対向する。前記ピンは、前記第1雄ねじ部の基端側(すなわち、先端側に対する反対側の端部側)の端部近傍に位置するピン中間危険断面をさらに含んでいてよい。前記ボックスは、前記第1雌ねじ部の奥側の端部近傍に位置するボックス危険断面と、前記第2雌ねじ部の奥側の端部近傍に位置するボックス中間危険断面とをさらに含んでいてよい。
[0024]
 前記ピンと前記ボックスとが締結されていないときの前記ピン中間危険断面の面積をPICCSA、前記ピンと前記ボックスとが締結されていないときの前記ボックス中間危険断面の面積をBICCSA、並びに、前記ピンと前記ボックスとが締結されていないときの前記ボックス危険断面の面積をBCCSAとしたとき、前記ピン及び前記ボックスは、以下の関係:
 PICCSA+BICCSA > BCCSA
 0.70 ≦ PICCSA/BICCSA ≦ 0.95
を満たすことが好ましい。

発明の効果

[0025]
 本開示によれば、中間シール及び中間ショルダを含む二段ねじ構造の鋼管用ねじ継手において、優れたシール性能を確保することができる。

図面の簡単な説明

[0026]
[図1] 図1は、実施形態に係る鋼管用ねじ継手を示す縦断面図である。
[図2] 図2は、ピン中間危険断面積のボックス中間危険断面積に対する面積比とシール性能評価値との関係を示すグラフである。
[図3] 図3は、鋼管の管本体の断面積に対するピン中間危険断面積の比率とボックス中間危険断面積の比率の和と、シール性能評価値との関係を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0027]
 本実施の形態に係る鋼管用ねじ継手は、管状のピンと、管状のボックスとから構成される。ピンとボックスとは、ピンがボックスにねじ込まれることにより締結される。ピンは、油井管等の鋼管の端部に設けられていてよい。ボックスは、カップリングの端部や、他の鋼管の端部に設けられていてよい。
[0028]
 ピンは、その先端側から順に、ノーズ部、内シール部、内雄ねじ部、中間ショルダ部、中間シール部、及び、外雄ねじ部を備えることができる。なお、ノーズ部及び内シール部が設けられていなくてもよい。また、ピンの先端面により内ショルダ面が構成される。ノーズ部が設けられている場合にはノーズ部の先端面により内ショルダ面が構成される。ノーズ部が設けられておらず、ピンの先端部が内シール部により構成される場合は、内シール部の先端面により内ショルダ面が構成される。ノーズ部も内シール部も設けられていない場合には、内雄ねじ部の先端面、若しくは、内雄ねじ部から先端側に向けて延びる他の部位の先端面により、内ショルダ面を構成できる。ピンの内ショルダ面は、軸方向先端側に向いている。
[0029]
 内雄ねじ部は、内シール部と中間ショルダ部との間に設けられる。内雄ねじ部は、先端側に至るにしたがって徐々に小径となる外周面を有していてよい。内雄ねじ部の外周面には、先端側に至るにしたがって徐々に縮径されるテーパねじが設けられていてよい。
[0030]
 中間ショルダ部は、内雄ねじ部と中間シール部との間に設けられる。中間ショルダ部は、ピンの軸方向に対して直交する又はテーパ状の中間ショルダ面を含むことができる。中間ショルダ面は、軸方向先端側に向いていてよい。
[0031]
 中間シール部は、中間ショルダ部と外雄ねじ部との間に設けられる。
[0032]
 外雄ねじ部は、先端側に至るにしたがって徐々に小径となるとともに先端の外径が内雄ねじ部の基端の外径よりも大径の外周面を有していてよい。外雄ねじ部の外周面には、先端側に至るにしたがって徐々に縮径されるテーパねじが設けられていてよい。
[0033]
 前記ボックスは、その奥側から順に、ピンのノーズ部に対応する凹部、ピンの内シール部に対応する内シール部、ピンの内雄ねじ部に対応する内雌ねじ部、ピンの中間ショルダ部に対応する中間ショルダ部、ピンの中間シール部に対応する中間シール部、及び、ピンの外雄ねじ部に対応する外雌ねじ部を備えることができる。前記凹部は、締結状態においてノーズ部が内部に挿入されるとともに、ノーズ部と凹部との間に隙間が形成されるように構成できる。この場合、凹部の奥側端面によって内ショルダ面を構成できる。なお、ピンがノーズ部を備えていない場合は凹部は設けないことが好ましい。また、ピンが内シール部を備えていない場合はボックスにも内シール部を設けないことが好ましい。
[0034]
 内雌ねじ部は、内シール部と中間ショルダ部との間に設けられる。内雌ねじ部は、ピンの内雄ねじ部に対応する構造を有し、ボックスの奥側に至るにしたがって徐々に小径となる内周面を有していてよい。内雌ねじ部の内周面には、ボックスの奥側に至るにしたがって徐々に縮径されるテーパねじを設けることができる。
[0035]
 中間ショルダ部は、内雌ねじ部と中間シール部との間に設けられる。中間ショルダ部は、ボックスの軸方向に直交する又は円錐状の中間ショルダ面を含むことができる。この中間ショルダ面は、ピンの中間ショルダ面に対して軸方向に対向する。
[0036]
 中間シール部は、中間ショルダ部と外雌ねじ部との間に設けられる。
[0037]
 外雌ねじ部は、ピンの外雄ねじ部に対応する構造を有し、ボックスの奥側に至るにしたがって徐々に小径となるとともに、奥側端の外径が内雌ねじ部の手前側端の外径よりも大径の内周面を有することができる。外雌ねじ部の内周面には、ボックスの奥側に至るにしたがって徐々に縮径されるテーパねじを設けることができる。
[0038]
 締結状態でピンのノーズ部はボックスの凹部に挿入される。締結状態でピンの内シール部はボックスの内シール部に締まり嵌めの状態で嵌合する。締結状態でピンの内雄ねじ部はボックスの内雄ねじ部にねじ嵌合する。締結状態でピンの中間ショルダ部の中間ショルダ面はボックスの中間ショルダ部の中間ショルダ面に軸方向に対向する。好ましくは、締結状態で、ピンの中間ショルダの中間ショルダ面が、ボックスの中間ショルダの中間ショルダ面に接触する。締結状態でピンの中間シール部はボックスの中間シール部に締まり嵌めの状態で嵌合する。締結状態でピンの外雄ねじ部はボックスの外雌ねじ部にねじ嵌合する。また、好ましくは、締結状態でピンの内ショルダ面はボックスの内ショルダ面に接触する。
[0039]
 ピンは、内雄ねじ部のテーパ形状の大径側の端部近傍に位置するピン中間危険断面をさらに含む。ピン中間危険断面の位置は、内雄ねじ部の大径側端部近傍のうち、最も断面積が小さくなる位置である。典型的には、締結状態で内雄ねじ部及び内雌ねじ部の荷重フランク面同士の接触がなくなる位置のピンの横断面がピン中間危険断面となる。
[0040]
 ボックスは、内雌ねじ部のテーパ形状の小径側(すなわちボックスの奥側)の端部近傍に位置するボックス危険断面と、外雌ねじ部のテーパ形状の小径側の端部近傍に位置するボックス中間危険断面とをさらに含む。ボックス危険断面の位置は、内雌ねじ部の小径側の端部近傍のうち、最も断面積が小さくなる位置である。典型的には、締結状態で内雄ねじ部及び内雌ねじ部の荷重フランク面同士の接触がなくなる位置のボックスの横断面がボックス危険断面となる。また、ボックス中間危険断面の位置は、外雌ねじ部の小径側の端部近傍のうち、最も断面積が小さくなる位置である。典型的には、締結状態で外雄ねじ部及び外雌ねじ部の荷重フランク面同士の接触がなくなる位置のボックスの横断面がボックス中間危険断面となる。
[0041]
 ピンとボックスとが締結されていないときのピン中間危険断面の面積をPICCSA、ピンとボックスとが締結されていないときのボックス中間危険断面の面積をBICCSA、並びに、ピンとボックスとが締結されていないときのボックス危険断面の面積をBCCSAとしたとき、ピン及びボックスは、以下の関係:
 PICCSA+BICCSA > BCCSA
 0.70 ≦ PICCSA/BICCSA ≦ 0.95
を満たすことが好ましい。
[0042]
 なお、本開示において、上記各危険断面は、各テーパねじのねじ山の断面を含まないものとし、各危険断面の面積は、各テーパねじの完全ねじ部及び不完全ねじ部のねじ山を除く部分のピン又はボックスの横断面積として定義される。
[0043]
 また、ピンの内周面は、ノーズ部、内シール部、内雄ねじ部、中間ショルダ、中間シール部及び外雄ねじ部にわたってほぼ同一の内径を有していてよい。内シール部及びノーズ部においては、先端側に至るにしたがって徐々に縮径する内周面を有していてもよい。
[0044]
 また、ボックスの外周面は、内シール部、内雌ねじ部、中間ショルダ、中間シール部及び外雌ねじ部にわたってほぼ同一の外径を有していてよい。
[0045]
 上記PICCSA/BICCSAは、より好ましくは0.73以上であり、さらに好ましくは0.75以上である。
[0046]
 上記PICCSA/BICCSAは、より好ましくは0.91以下であり、さらに好ましくは0.90以下である。
[0047]
 一実施形態において、ピンのピン中間危険断面と中間シール部との間の軸方向距離は、ボックスのボックス中間危険断面と中間シール部との間の軸方向距離よりも大きい。これにより、ボックスの中間シール部に作用する外圧に対する縮径変形量を小さくすることができ、中間シール部における外圧に対するシール性向上を期待できる。
[0048]
 好ましくは、ピンは鋼管の端部に設けられ、ボックスはカップリングに設けられる。より詳細には、鋼管は管本体を有し、ピンは、管本体の端部から軸方向に沿って延びている。管本体は、締結状態でボックスに挿入されない部分である。この場合、カップリングのボックス危険断面積BCCSAを、鋼管の管本体の断面積Aよりも大きくすることが好ましい。これによれば、ねじ継手部分において、鋼管の引張強度と同等以上の引張強度を確保できる。また、管本体の肉厚が20mm以上である鋼管用のねじ継手として本発明は好適に実施できる。ここで、管本体の肉厚が20mm以上であるとは、管本体の最小肉厚が20mm以上であることを意味する。
[0049]
 〔鋼管用ねじ継手の構成〕
 図1を参照して、本実施の形態に係る鋼管用ねじ継手1は、カップリング型のねじ継手であって、管状のピン2と、ピン2がねじ込まれてピン2と締結される管状のボックス3とを備える。図示例では、ピン2は、油井管Tの端部に設けられ、ボックス3はカップリングCの端部に設けられている。
[0050]
 ピン2は、油井管Tの管本体の端部から軸方向に沿って先端側に延びている。ピン2は、ノーズ部21と、内シール部22と、テーパ状の内雄ねじ部23と、中間ショルダ部24と、中間シール部25と、テーパ状の外雄ねじ部26とを含む。各セクション21~26は、それぞれ管状乃至リング状である。
[0051]
 ノーズ部21は、内シール部22よりも先端側に設けられており、ピン2の先端部を構成している。ノーズ部21の外周面は、内シール部22の外周に設けられた内シール面に連なって先端側に延びている。ノーズ部21の外周面は、先端側に至るにしたがって徐々に縮径するテーパ面であってよい。また、ノーズ部21の外周面は、上記テーパ面と、円弧等の曲線を管軸CL周りに回転して得られる回転体の外周面とを組み合わせた形状であってもよい。ノーズ部21の先端面はピン2の内ショルダ面を構成する。このショルダ面は、管軸CLにほぼ垂直な環状面であるが、その外周側がピン2の先端側に向けて僅かに傾斜していてよい。
[0052]
 内シール部22は、内雄ねじ部23よりも先端側に設けられている。内シール部22は、ノーズ部21と内雄ねじ部23との間に設けられる。内シール部22の外周面には、先端側に至るにしたがって縮径する上記内シール面が形成されている。このシール面の縦断面形状は、直線状であってもよく、円弧状であってもよく、または、直線と円弧とを組み合わせた形状であってもよい。
[0053]
 内雄ねじ部23は、内シール部22と中間ショルダ部24との間に設けられる。内雄ねじ部23の外周面には、先端側に至るにしたがって徐々に縮径するテーパねじが設けられている。
[0054]
 中間ショルダ部24は、内雄ねじ部23と中間シール部25との間に設けられ、図1に示す構造ではピン2の軸方向中央付近に設けられている。中間ショルダ部24は、管軸CLにほぼ垂直な中間ショルダ面を有する。中間ショルダ面は、内雄ねじ部23と中間シール部25との間でピン2の外周に設けられた段差部により構成される。中間ショルダ面は先端側に向いている。また、中間ショルダ面は、その外周側または内周側がピン2の先端側に向けて僅かに傾倒していてもよい。
[0055]
 中間シール部25は、中間ショルダ部24と外雄ねじ部26との間に設けられる。中間シール部25の外周面には、先端側に至るにしたがって縮径する中間シール面が形成されている。このシール面の縦断面形状は、直線状であってもよく、円弧状であってもよく、または、直線と円弧とを組み合わせた形状であってもよい。
[0056]
 外雄ねじ部26の外周面には、先端側に至るにしたがって徐々に縮径するテーパねじが設けられている。外雄ねじ部26の基端部の外径及び内径は、油井管Tの管本体の外径及び内径とほぼ等しい。
[0057]
 ボックス3は、ノーズ部21に対応する凹部31、内シール部22に対応する内シール部32、内雄ねじ部23に対応するテーパ状の内雌ねじ部33、中間ショルダ部24に対応する中間ショルダ部34、中間シール部25に対応する中間シール部35、及び、外雄ねじ部26に対応する外雌ねじ部36を含む。各セクション31~35は、それぞれ管状乃至リング状である。
[0058]
 凹部31は、内シール部22よりも奥側に設けられる。すなわち、凹部31は、ボックス3の最奥部に設けられている。凹部31には、締結状態でピン2のノーズ21が挿入される。凹部31の奥側端面は、締結状態でピン2の内ショルダ面が接触する内ショルダ面として機能する。なお、締結状態でピン2の内ショルダ面とボックス3の内ショルダ面とが接触せずに、両者間に隙間が形成されていてもよい。
[0059]
 内シール部32は、内雄ねじ部33よりも奥側に設けられている。内シール部32は、凹部31と内雌ねじ部33との間に設けられる。内シール部32の内周面には、ボックスの奥側(言い換えれば、ピンの先端側)に至るにしたがって縮径する内シール面が形成されている。このシール面の縦断面形状は、直線状であってもよく、円弧状であってもよく、または、直線と円弧とを組み合わせた形状であってもよい。
[0060]
 内雌ねじ部33は、内シール部32と中間ショルダ部34との間に設けられる。内雌ねじ部33の内周面には、ボックスの奥側に至るにしたがって徐々に縮径するテーパねじが設けられている。
[0061]
 中間ショルダ部34は、内雌ねじ部33と中間シール部35との間に設けられ、図1に示す構造ではボックス3の軸方向中央付近に設けられている。中間ショルダ部34は、締結状態でピン2の中間ショルダ部24の先端側に位置する。中間ショルダ部34は、管軸CLにほぼ垂直な中間ショルダ面を有する。この中間ショルダ面は、内雌ねじ部33と中間シール部35との間でボックス3の内周に設けられた段差部により構成される。中間ショルダ面は、ピン2の中間ショルダ面と軸方向に対向する。図示例では、ピン2の中間ショルダ部24の軸長は、ボックス3の中間ショルダ部34の軸長よりも大きい。なお、ボックス3の中間ショルダ部34の軸長を、ピン2の中間ショルダ24の軸長より大きくしてもよい。
[0062]
 中間シール部35は、中間ショルダ部34と外雌ねじ部36との間に設けられている。中間シール部35の内周面には、ボックスの奥側に至るにしたがって縮径する中間シール面が形成されている。このシール面の縦断面形状は、直線状であってもよく、円弧状であってもよく、または、直線と円弧とを組み合わせた形状であってもよい。
[0063]
 外雌ねじ部36の内周面には、ボックスの奥側に至るにしたがって徐々に縮径するテーパねじが設けられている。
[0064]
 内雌ねじ部33は、内雄ねじ部23をねじ込み可能であり、締結状態では互いに嵌め合い密着し、締まり嵌めの状態となる。外雌ねじ部36は、外雄ねじ部26をねじ込み可能であり、締結状態では互いに嵌め合い密着し、締まり嵌めの状態となる。内シール部22,32は、ピン2のねじ込みに伴って互いに接触し、締結状態では嵌め合い密着し、締まり嵌めの状態となる。中間シール部25,35もまた、ピン2のねじ込みに伴って互いに接触し、締結状態では嵌め合い密着し、締まり嵌めの状態となる。これにより、内シール部22,32の内シール面、及び、中間シール部25,35の中間シール面は、それぞれ強く圧接されてメタルシールを形成する。このような構成のねじ継手では、内シール部22,32同士の嵌め合い密着により、主に内圧に対してのシール性能が確保される。また、中間シール部25,35同士の嵌め合い密着により、主に外圧に対してのシール性能が確保される。
[0065]
 ピン2及びボックス3の先端のショルダ面同士、並びに、ピン2及びボックス3の中間ショルダ面同士は、ピン2のねじ込みに伴って互いに接触して押し付けられ、ピン2のねじ込みを制限するストッパの役割を担う。なお、ピン2の先端ショルダ面及び中間ショルダ面のいずれかがボックス3に接触しないように構成することもできる。
[0066]
 締結状態において、ピン2のノーズ部21の外周面とボックス3の凹部31の内周面との間には隙間が形成されている。これにより、過大な引張荷重が負荷されてピン2及びボックス3の内シール面同士の接触圧が緩む方向に両内シール面が軸方向に相対的に僅かに移動した場合でも、ピン2の内シール面がノーズ部21と一体となって弾性的に復元することにより、ピン2及びボックス3の内シール面同士の接触圧の低下が抑えられる。
[0067]
 図1に示すように、ピン2は、内雄ねじ部23のテーパ形状の大径側(すなわち基端側)の端部近傍に位置するピン中間危険断面(PICCS)をさらに含む。また、ボックス3は、内雌ねじ部33のテーパ形状の小径側(すなわちボックスの奥側)の端部近傍に位置するボックス危険断面(BCCS)と、外雌ねじ部36のテーパ形状の小径側(すなわちボックスの奥側)の端部近傍に位置するボックス中間危険断面(BICCS)とをさらに含む。そして、これら危険断面の面積が、以下の式を満たすよう、ピン2及びボックス3が構成されている。
[0068]
 〔式〕
 PICCSA+BICCSA > BCCSA
 0.70 ≦ PICCSA/BICCSA ≦ 0.95
 上記式において、PICCSAはPICCSの面積、BICCSAはBICCSの面積、BCCSAはBCCSの面積とする。
[0069]
 また、本実施形態のねじ継手は、ピン2のピン中間危険断面(PICCS)と中間シール部25との間の軸方向距離が、ボックス3のボックス中間危険断面(BICCS)と中間シール部35との間の軸方向距離よりも大きい。より好ましくは、ピン中間危険断面(PICCS)と中間シール部25との間の軸方向距離が、中間ショルダ面と中間シール部25との間の軸方向距離よりも大きくすることができる。なお、中間シール部25,35の中間シール面同士が面接触する場合、上記軸方向距離の基準位置は、面接触範囲の軸方向中央位置であってよい。
[0070]
 さらに、カップリングCのボックス危険断面積BCCSAは、油井管Tの管本体の断面積Aよりも大きい。
[0071]
 [鋼管用ねじ継手の作用・効果]
 本実施形態によれば、中間シール及び中間ショルダを含む二段ねじ構造の鋼管用ねじ継手において、優れたシール性能を確保することができる。以下、その理由を詳細に説明する。
[0072]
 ピン中間危険断面(PICCS)とボックス中間危険断面(BICCS)の面積和PICCSA+BICCSAが、ボックス危険断面(CCS)の面積BCCSAよりも大きいため、ねじ継手1の中間シール部25,35近傍の引張強度を確保できる。
[0073]
 また、ピン中間危険断面積PICCSAがボックス中間危険断面積BICCSAよりも小さいが、ピン2の中間シール部25を中間ショルダ部24と外雄ねじ部26との間に設けることで、中間シール部25の断面積を大きく確保でき、大きな外圧が負荷した場合の中間シール部25の縮径変形を抑えることができる。
[0074]
 さらに、ピン中間危険断面(PICCS)のボックス中間危険断面(BICCS)に対する面積比PICCSA/BICCSAを、0.70以上0.95以下とすることで、引張荷重が負荷された場合でも、ピン中間危険断面近傍のピン2の延び量と、ボックス中間危険断面近傍のボックス3の延び量とを同程度とし、これによりピン2の中間シール面とボックス3の中間シール面とが軸方向にずれることを抑制できるとともに、シール面近傍の曲げ変形も抑制でき、実質シール干渉量が維持されるため、シール性能が低下してしまうことを防止できる。
[0075]
 本開示は、カップリング型だけでなく、インテグラル型のねじ継手にも適用できる。また、ピン先端にノーズ部が設けられていなくともよい。また、各ねじ部のテーパねじは、図1に示す実施形態では台形ねじにより構成されているが、APIラウンドねじ、APIバットレスねじ、若しくは、楔型ねじであってもよい。その他、本開示は上記の実施の形態に限定されず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
実施例
[0076]
 本実施の形態に係る鋼管用ねじ継手の効果を確認するため、弾塑性有限要素法による数値解析シミュレーションを実施した。
[0077]
 <試験条件>
 カップリング型の油井管用ねじ継手について、PICCSとBICCSの面積比PICCSA/BICCSAを変えた複数の供試体(解析モデル)を作成し、各供試体毎に弾塑性有限要素法解析を実施して性能の差を比較した。各供試体は、図1に示す基本構造を有するカップリング型のねじ継手である。共通の試験条件を以下に示す。
[0078]
(1)解析モデル
 作成した解析モデルは、二次元軸対称モデルである。すなわち、各ねじ部23,26,33,36のねじ山は螺旋構造ではなく、想定する実製品のねじ山のピッチと同じピッチ、同じ断面形状で等間隔にリング状凸部が設けられた二次元軸対称モデルを作成した。なお、かかる二次元軸対称モデルによるFEM解析結果は、シール性能の評価において、想定する実製品のシール性と同視できることが従前より様々な論文等により検証されている。
[0079]
(2)鋼管の寸法
 7-5/8[inch]×1.06[inch](外径193.7[mm]、肉厚27.0[mm])
[0080]
(3)鋼管のグレード
 API規格のP110(公称降伏応力が110[ksi]の低合金鋼)
 なお、FEM解析では、材料を等方硬化の弾塑性体とし、弾性係数が210GPa、0.2%耐力として降伏強度が110ksi(758.3MPa)になるように、各供試体をモデル化したものを使用した。
[0081]
(4)二次元軸対称モデルが想定するねじの寸法
 ねじピッチ:5.08mm
 荷重面のフランク角:-3°
 挿入面のフランク角:10°
 挿入面すき間:0.15mm
[0082]
(5)ボックスの危険断面積(BCCSA)
 鋼管の管本体断面積Aの106%
[0083]
 <評価方法>
 まず各供試体に対して締結をシミュレートした解析を実行した後、締結状態のモデルにISO13679:2011 Series A試験を模擬した繰り返し複合荷重を負荷したときのシール性能を評価した。シール性能は、繰り返し荷重履歴の内圧サイクル(第一、第二事象)においては、ピン及びボックスの内シール面同士の周方向単位長さ当たりの接触力を、負荷した内圧で除した値の最小値により評価し、また、繰り返し荷重履歴の外圧サイクル(第三、第四事象)においては、ピン及びボックスの中間シール面同士の周方向長さ当たりの接触力を、負荷した外圧で除した値の最小値により評価した。これらの値が大きいほど各シール面のシール性能が優れていることを意味する。また、シール性能は、供試体#9(PICCSとBICCSの面積比PICCSA/BICCSAが1)の内外圧サイクルにおける性能を1.000とした相対値を用いて、以下の2水準で評価した。
 ・○:内圧シール性能が1.000以上、且つ、外圧シール性能が1.100以上
 ・×:内圧シール性能が1.000未満、又は、外圧シール性能が1.100未満
[0084]
 表1は、各供試体の試験条件及び評価をまとめたものである。
[0085]
[表1]


[0086]
 なお、供試体#1~#8が本開示による実施形態であり、供試体#9及び#10は比較例である。また、供試体#2~#5及び#10は、供試体#1とボックスが同一で、ピンの寸法を変更したものである。また、供試体#6~#9は、供試体#1とピンが同一で、ボックスの寸法を変更したものである。また、表中の用語の意味は下記の通りである。
 PIN:ピン、BOX:ボックス、ICCSA:ピン及びボックスの中間危険断面積、Ratio of ICCSA:鋼管の管本体の横断面積Aに対する各中間危険断面積の比率、Ratio of PICCSA+BICCSA:各供試体のピン中間危険断面積率とボックス中間危険断面積率の和、PICCSA/BICCSA:各供試体のボックス中間危険断面積に対するピン中間危険断面積の割合、Load Cycle:荷重サイクルの種類、External:外圧サイクル、Internal:内圧サイクル、Sealability:シール性能、Eval.:評価結果
[0087]
 なお、表1に示す断面積や面積比率は、ピンとボックスとが締結されていない状態におけるものである。
[0088]
 表1に示した試験結果に基づき、図2に、ボックス中間危険断面積に対するピン中間危険断面積の割合とシール性能との関係を示す。また、図3には、ピン及びボックスの中間危険断面積率の和とシール性能との関係を示す。
[0089]
 図2から明らかなように、PICCSA/BICCSAが0.70以上0.95以下の範囲で外圧に対するシール性能が1.10以上に顕著に向上しており、特に0.73以上0.91以下では外圧シール性能が1.13以上で維持されている。このように高い外圧シール性能が得られているものは供試体#1~#8であり、PICCSAとBICCSAの和がボックス危険断面積(上述したように鋼管の管本体の断面積Aの106%)よりも大きく、且つ、PICCSA/BICCSAが0.7以上0.95以下であるため、中間シール近傍の変形量が小さく、良好なシール性能が得られたものと考えられる。
[0090]
 供試体#9は、PICCSA+BICCSAがボックス危険断面積よりも大きいが、PICCSA/BICCSAが0.95よりも大きいため、中間シール近傍の変形量が大きく、良好なシール性能が得られなかったと考えられる。
[0091]
 供試体#10は、PICCSA+BICCSAがボックス危険断面積よりも小さく、且つ、PICCSA/BICCSAが0.7よりも小さいため、中間シール近傍の変形量が大きく、良好なシール性能が得られなかった。
[0092]
 以上の結果から、本開示によれば、中間シールを含む二段ねじ構造の鋼管用ねじ継手において、内圧及び外圧に対する良好なシール性が得られることが実証できた。

符号の説明

[0093]
2:ピン、21:ノーズ部、22:第1シール部、23:第1雄ねじ部、
24:中間ショルダ部、25:第2シール部、26:第2雄ねじ部、
3:ボックス、31:凹部、32:第3シール部、33:第1雌ねじ部、
34:中間ショルダ部、35:第4シール部、36:第2雌ねじ部、
PICCS:ピン中間危険断面、PICCSA:ピン中間危険断面積
BICCS:ボックス中間危険断面、BICCSA:ボックス中間危険断面積
BCCS:ボックス危険断面、BCCSA:ボックス危険断面積
A:鋼管の管本体の断面積

請求の範囲

[請求項1]
 管状のピンと、管状のボックスとから構成され、前記ピンが前記ボックスにねじ込まれて前記ピンと前記ボックスとが締結される鋼管用ねじ継手であって、
 前記ピンは、前記ピンの先端側から順に、第1雄ねじ部、中間シール部、及び、第2雄ねじ部を備え、前記第1雄ねじ部と前記ピンの中間シール部との間には先端側に向く中間ショルダ面が設けられ、
 前記ボックスは、前記ボックスの奥側から順に、締結状態で前記ピンの第1雄ねじ部が嵌合する第1雌ねじ部、締結状態で前記ピンの中間シール部が嵌合する中間シール部、及び、締結状態で前記ピンの第2雄ねじ部が嵌合する第2雌ねじ部を備え、前記第1雌ねじ部と前記ボックスの中間シール部との間には中間ショルダ面が設けられ、前記ボックスの中間ショルダ面は前記ピンの中間ショルダ面に対して軸方向に対向し、
 前記ピンは、前記第1雄ねじ部の基端側の端部近傍に位置するピン中間危険断面をさらに含み、
 前記ボックスは、前記第1雌ねじ部の奥側の端部近傍に位置するボックス危険断面と、前記第2雌ねじ部の奥側の端部近傍に位置するボックス中間危険断面とをさらに含み、
 前記ピンと前記ボックスとが締結されていないときの前記ピン中間危険断面の面積をPICCSA、前記ピンと前記ボックスとが締結されていないときの前記ボックス中間危険断面の面積をBICCSA、並びに、前記ピンと前記ボックスとが締結されていないときの前記ボックス危険断面の面積をBCCSAとしたとき、前記ピン及び前記ボックスは、以下の関係:
 PICCSA+BICCSA > BCCSA
 0.70 ≦ PICCSA/BICCSA ≦ 0.95
を満たす、鋼管用ねじ継手。
[請求項2]
 請求項1に記載の鋼管用ねじ継手において、PICCSA/BICCSAが0.73以上である、鋼管用ねじ継手。
[請求項3]
 請求項1又は2に記載の鋼管用ねじ継手において、PICCSA/BICCSAが0.91以下である、鋼管用ねじ継手。
[請求項4]
 請求項1~3のいずれかに記載の鋼管用ねじ継手において、前記ピンは、前記第1雄ねじ部よりも先端側に設けられた内シール部をさらに備え、前記ボックスは、前記第1雄ねじ部よりも奥側に設けられた内シール部をさらに備え、締結状態で前記ピンの内シール部は前記ボックスの内シール部に嵌合する、鋼管用ねじ継手。
[請求項5]
 請求項4に記載の鋼管用ねじ継手において、前記ピンは、前記ピンの内シール部よりも先端側に設けられたノーズ部をさらに備え、前記ボックスは、前記ボックスの内シール部よりも奥側に設けられた凹部をさらに備え、締結状態で前記ノーズ部は前記凹部内に挿入される、鋼管用ねじ継手。
[請求項6]
 請求項1~5のいずれかに記載の鋼管用ねじ継手において、前記ピンは、前記ピンの先端面により構成される内ショルダ面をさらに有し、前記ボックスは、前記ピンの内ショルダ面に軸方向に対向する内ショルダ面をさらに有する、鋼管用ねじ継手。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれかに記載の鋼管用ねじ継手において、前記ピンは鋼管の管本体の端部から軸方向に沿って先端側に延びており、前記ボックスはカップリングに設けられている、鋼管用ねじ継手。
[請求項8]
 請求項7に記載の鋼管用ねじ継手において、前記カップリングのボックス危険断面積BCCSAが、前記鋼管の管本体の断面積Aよりも大きい、鋼管用ねじ継手。
[請求項9]
 請求項7又は8に記載の鋼管用ねじ継手において、前記鋼管の管本体の肉厚が20mm以上である、鋼管用ねじ継手

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]